工夫次第で楽しく遊べるんだ!

私が通っていた就労移行支援施設では、月に1回、就職された先輩と訓練生との交流会がありました。
飲み物やお菓子をいただきながら、先輩の苦労話や訓練生だった時に心掛けていたことなどを聞ける貴重な時間でした。

私が訓練生として通い始めて1年目の12月。この日の交流会は忘年会とクリスマス会を合体させたような感じでした。
部屋にはクリスマスの飾りがあり、クリスマスソングが流れていました。
「今年もお世話になりました」と言い合う声に、しみじみしたのを覚えています。
そこでビンゴゲームをやることになったのですが、点字がついていなかったのでどうしようかと思っていました。

きっと、これも訓練の一環なのかもしれない。そう思った私は、おそるおそる、隣に座っている訓練生に声をかけてみました。
「すみません、私のビンゴカードも一緒に見ていただけませんか?」不安に思う必要なんてありませんでした。
近くにいた人が何人も「見ますよ」と手を挙げてくださったのです。
「○○さんがやっている時は私が見ますね」、「じゃあ今度は私が」胸がいっぱいになりました。

これまで点字付きの商品を買って楽しむことしか知らなかったので、工夫することも時には大切だなと気づかされた瞬間でした。
点字付きの商品は物によっては1000円以上するし、買うのに躊躇してしまい、こだわらなければ100円程度で購入できるし、誰かの視力を借りれば、店のイベントでやっているビンゴ大会にも参加できますものね。

ビンゴカードを見ていただきながら、大き目のトランプを購入して点字を付けたことを思い出していました。
あれも一つの工夫から生まれた方法で、皆の助けも借りつつ思い切り楽しんで景品のお菓子もゲットして。良いひと時を過ごせました。
私は子供の頃からずっと視覚障碍者ばかりの環境にいました。
できるようになったことが増えたのは嬉しかったのですが、なんだか物足りないなと感じていたし、周囲の人と比べて焦りを感じていました。
将来の就職を見据え、視覚障碍者ばかりの環境から飛び出したことで、助けてほしい時に助けてと言えるようになりました。

あの時もらったたくさんの親切を、今私と関わってくださっている仲間たちにお返ししたいです。